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2015年 師走 [過去15年間の日本の観光政策]

過去15年間の日本の観光政策

年末のご挨拶

政府は十一月九日、訪日外国人観光客の増加に向け、受け入れ態勢の拡充を検討する「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」の初会合を首相官邸で開き、議長に就任した安倍首相は、「二〇二〇年に訪日外国人を二千万人に増やすという従来の目標は、通過点だ。」と述べ、さらに上を目指していく考えを示されました。また、「東京から大阪というゴールデンルートだけでなく日本各地の魅力と世界のニーズを結び付けていく」と強調されました。

当社がインバウンドツーリズムを開始した十五年前は国や行政もまったく閉鎖的でした。受け入れのビザ取得の為、国会議員や地方議員、関係団体に懇願して回った当時を思い起こすと隔世の感があります。現職総理大臣の発言に「ハラール」「ゴールデンルート」などが含まれることなど、当時はまったく予想すらできませんでした。二〇一四年に外国人観光客が日本滞在中に支出したお金は二兆円を超えています。今後、官民を挙げて大いに取り組みを強化し、地方創成の原動力にしてく為、知恵を絞り、汗をかいていかねばなりません。

一般家庭や、マンションの空き室を旅行者に貸し出す、「民泊」を一定の要件で認定する制度が始まりました。現在はまだ法的要件を満たしていない例が大半でありますが、すでにインターネットを介して世界中で、そして日本でも急速に広がっています。この民泊に法的なお墨付きを与えるのが特区条例です。その先陣を切ったのは大阪府議会で、本年十月二十七日に可決され、早ければ来年三月頃から申請の受付を開始する予定です。また東京都大田区も近く区議会に条例案を提出し、早ければ来年一月から宿泊できるようにする予定です。

当社でも二〇一一年~二〇一二年にかけて、「ムスリムフレンドリーゲストハウス」という宿泊施設を運営しておりましたが、法的問題をクリアできなかったので撤退をいたしました。しかしこの経験によって海外からのムスリム観光客のニーズを十分に理解することができましたので、合法的民泊運営につき、今後意欲を持って取り組んでいきたいと考えています。  

二〇二〇年の東京オリンピックを待たずして、来年の三重県賢島で開催される「伊勢志摩サミット」など、今後様々な国際的なイベントや学会などが我が国で予定されています。その意味でも今後ますますインバウンドツーリズムが担う責任は大きくなってくると予想されます。当社の社業はもちろんのこと、関係団体の特定非営利活動法人日本ハラール協会の活動を通して訪日外国人のためのインフラ整備などに大いに努力していきたいと思います。

少し以前から交流のあった、早稲田大学の桜井啓子教授から依頼され、岩波新書から発売されました、「イスラーム圏で働く」発刊にあたり、私の稚拙なエッセイを十数ページ寄稿させていただきました。御笑覧いただければ幸いです。

末筆ですが、日頃のご無沙汰をお詫び申し上げ、皆様のご健康とご活躍をお祈りしております。

よき新年をお迎え下さい。

平成二十七年 師走

株式会社ミヤコ国際ツーリスト

代表取締役 松井秀司