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2016年 師走 [インバウンドと地方創生]

インバウンドと地方創生

年末のご挨拶

前略 

貴社、貴会におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。

二千十六年は欧米において大きな政治的転換期となりました。言うまでもなく、イギリスのEU離脱とアメリカの次期大統領にトランプ氏が決まったことであります。グローバル化という世界の潮流に乗れず恩恵を受けることのできない人々や移民受け入れに対する不安を持つ人たちの民意が強く反映した結果と言えそうですが、日本においても今後これらの保護主義的な考えが広く蔓延してくることが懸念されます。

私事ですが、一番下の娘がシアトルのワシントン州立大学に留学中で、現地で得た単位はそのまま日本の在学中の大学で有効になる制度のようです。同じクラスにはアジア各国からの学生が多く、サウジアラビアからも多くの学生が留学しているようです。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどではこれまでも積極的に留学生の受け入れを行ってきました。多くの家庭ではホームステイの受け入れを大切な収入源として積極的に行ってきました。最近では費用の安さを武器にフィリピンが積極的にアジア学生に対して留学を売り込んできています。昨今、日本でも訪日外国人に対する民泊が合法化されたところですが、諸外国ではずいぶん以前からこういった形の民泊が広く普及していました。

日本におけるインバウンドツーリズムの恩恵は、まだまだ東京、大阪、京都といった大都市や著名観光施設が中心で、宿泊も都心のホテル、ビジネスホテルが高い稼働率を維持しています。しかし地方都市などではまだまだその恩恵を十分に受けているとはいえません。

フィリピンの語学留学のように、日本の地方にもその強みを生かした集客方法はまだまだあるように思います。観光だけにとらわれず、滞在し、消費してもらう為の魅力あるコンテンツを産官学で造成していただきたいものです。例えば地方の大学と優良企業が提携して、働きながら日本の大学で学べる制度を確立する。地方大学の学生確保と企業の労働力確保を同時に叶えるような制度であるとか、廃校を利用して日本語の語学スクールと併設の看護、介護専門学校を自治体主導で開設するなどです。

ITの世界においてはアップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン・・・とアメリカに大差をつけられていますが、例えば介護などでは人材不足、省力化のためのITやロボットの活用が実用化し、世界から引き合いが来ているようです。下腹部につけた超音波センサーによって排尿が近いことを介護者のスマホに知らせる機能なども実用化されており、これらのジャンルでは日本は最先端を走っていると聞きます。少子高齢化の問題はいずれ多くの国が直面する問題です。その点からも、これらの技術は、日本の介護事業者や病院の生産性を高めるだけでなく、諸外国から大いに学びに来てもらいたいものです。

人の交流によってお互いにメリットを享受する。世界主要国が保護主義に向かおうとしている今、グローバルを推進するリーダーシップを日本が担う時が来たように思います。

寒さが厳しい折、ご自愛いただきよいお年をお迎えください。 

早々

平成二十八年 師走

株式会社ミヤコ国際ツーリスト

代表取締役 松井秀司